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映画《猿の惑星:創世記》あらすじネタバレ感想:殺人ウイルス

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原題:Rise of the Planet of the Apes

公開年:2011年

製作国:アメリ

上映時間:106分

評価:80

 

あらすじ

  製薬会社ジェネシスに勤める神経学者のウィルは認知症治療薬の開発に従事している。
 あるウイルスを使った遺伝子型治療薬ALZ112をチンパンジーに投与した所、劇的な成果が表れる。しかし、そのチンパンジーが突然暴れまわり、ゲージの外に出た挙句、ちょうどプレゼンテーション中だった会議室に乱入。そのチンパンジーは警備員に射殺される。
 しかし、そのチンパンジーはお腹の子を守るための行動だったことが分り、生まれた子ザルの殺処分を逃れる為ウィルはこっそり自宅へ連れ帰り育てることにしたのだが・・・

ネタバレ感想

全体的に悲しい物語だ

認知症の父に対して

 ウィルは二つのことで追い詰められてしまった。

 一つは父の認知症が日に日にひどくなっていくこと。
 もう一つはシーザーを殺処分できず自宅に連れ帰ってしまったこと。

 ウィルはアルツハイマー認知症の症状が進む父に思い余って自身が開発した薬を無断で投与してしまう。
 効くかどうかも分からない。ましてどのような副作用があるかも分からない。それでも他に方法がなく、自分の父を人体実験にしてしまうという悲しさ。でもこの薬を投与すれば改善するかもしれないという確証のない期待を込めて父の腕に針を刺したのだろう。

 しかし、その効果は劇的で次の朝には父がピアノを奏でていた。しかも、知能が以前の父を超えるとういう驚きの結果になって。
 昨日までとはうって変わって、父の顔が晴れやかになっている。

 日本では将来約1000万人の人が認知症になると予想されている。驚異的な数字だ。この作品のようにチンパンジーを使って今でもテストしているところがあるのだろうか。
 昨今、国際的にアニマルウェルウェア(動物福祉)が言われるようになってきた。野生動物や実験動物だけではなく畜産動物に対しても苦痛やストレスを与える扱いを控えるようにという考えだ。EUではチンパンジーなどの霊長類を医薬品開発の実験に使うことを禁じている。

 世界中の研究機関が認知症に効く薬の開発にしのぎを削っているだろう。そしてALZ112のような画期的な治療薬ができるかもしれない。

 アルツハイマー認知症の治療薬としてウィルが開発したALZ112は、低下した知能を向上させる効果がある。ジェイコブ社では一番人間に近いチンパンジーを使ってその効果を調べていたわけだが、実験に使われていたチンパンジー認知症ではないのにその効果が分るのだろうか。
 チンパンジーの知能が向上したから、遺伝子的に最も近い人間の知能も向上すると言うのなら分かるが、アルツハイマー認知症に効果があるかどうかはどうやって分かるのだろう。
 ウィルが社長に言っていたように時間をかけた治験が必要だ。欲に目がくらんだら社長のようにシーザーたちから手痛いしっぺ返しを受けることになる。自業自得だ。

シーザーの心の変化

 シーザーは言葉が喋れないだけで、人間のそれをはるかに超えるスピードで賢くなっていく。外に出ると危険なのは分かるが、外に出たいシーザーの気持ちも痛いほど分かる。上の画像は、外に出たいシーザーの気持ちを表していると思う。
 外で思いっきり木に登ぼりたい。木から木へと飛び移りたいだろう。しかし、人間に見つかると恐れられ恐怖の目で見られる。それが現実だ。
 外に出て初めて人間が自分をどのように見ているかわかり、そしてシーザーの心は傷ついた。ウィルは自分を人間のように扱ってくれていたが、実は自分は人間とは違うのではないかという疑問が芽生え始める。
 首輪をはめた犬と同じものが自分の首にも付いている。それに気づいたとき自分が犬と同じような扱いを受けていると感じた。シーザーの心はひどく悲しかっただろう。

 だんだん人間不信になっていくシーザーの心にとどめを刺したのが、霊長類保護施設の親子だ。様々なところから持ち込まれるチンパンジー、オラウータ、ゴリラなどを保護をする民間施設のようだ。しかしただの一時預かり所で実験動物としてジェイコブ社などへ送り出している見せかけだけの施設だ。この親子に出会ってシーザーは人間への反旗を決断した。自分と同じ仲間たちがこの親子にされている仕打ちを見て決心した。     逆にウィルのような人のいるところに保護されていればシーザーは猿たちを率いて決起することはなかったのだろうか。いや、いずれはどこかで必ず保護施設の親子のような人間に出会ってしまうだろう。早いか遅いかの違いしかない。

まとめ

 ラストはシーザーの母親が投与されたALZ112を超えるALZ113をシーザーとその仲間たちが吸い込みより知能を向上させる。
 そしてこのALZ113、猿にとっては知能を向上させるだけだが人間にとっては極めて危険な殺人ウイルスとなる。ラストのシーンでこのウイルスに感染したパイロットが世界中へまき散らしてしまう。そしてこのウイルスの抗体を持った一部の人類だけが生き残るという文明の崩壊のカウントダウンが始まった。
 自然発生したウイルスではなく人類が作ったウイルスによって人類が滅んでしまった。

 コロナが世界中を席捲している今、人類の驕りがこの結果を招いたのではないだろうか。チンパンジーから進化した人類は火を使い、道具を使い、言葉を話し、そして科学技術を手に入れた。地球上で生命のピラミッドの頂点に立ったと思いこんでいる人類は今ウイルスによって苦しんでいる。
 今までもこれからも、人類はウイルスに悩まされるだろう。