原題:Spider-Man:Homecoming
公開年:2017年
製作国:アメリカ
上映時間:133分
評価:80
スパイダーマンの3番目の新シリーズであり、MCU内の新シリーズとして誕生した。
スパイダーマン誕生のいきさつや、ベン叔父さんのことは語られず、2016年公開の「シビルウォー/キャプテン・アメリカ」にゲスト出演した所から始まる。
あらすじ
エイドリアン・トゥームズはアべンジャーズとチタウリの戦いで破壊された残骸を撤去する作業をしていた。そこへ突然、トニー・スタークが政府と設立したダメージコントロール局(損害統制局)に仕事を奪われてしまう。
エイドリアンは部下の一人がダメージ・コントロール局に提出せず隠し持っていたチタウリを元に、ハイテク兵器を作りそれを密売することを思いつく。
8年後、高校に通うピーター・パーカー(スパイダーマンはアベンジャーズの内乱の際トニー・スタークに見いだされ、ハイテク技術を使ったスーツをもらう。しかし、活動内容制は限され、街の犯罪防止のみに限定される。あまり無茶な行動はするなということだ。
ピーターは何とかトニー・スタークに認められたく、まアベンジャーズに入れてもらいたくて呼び出しがかかるのを今か今かと待っているのだが一向に来ない。
そんな時、ピーターはチタウリを使った武器を使用した犯行現場に遭遇する。並外れた武器の破壊力に驚き、パーカーに事の次第を報告するもパーカーは一向に相手にしてくれない。仕方なくピーターは単独で犯罪者たちを捕まえようとするのだが・・・
ネタバレ感想
エイドリアン悪の道に入る
エイドリアン・トゥームスは残骸処理業会社の経営者で、アベンジャーズのニューヨーク決戦の残骸を処理する仕事を市から請け負って作業していた。大きい仕事なので新しい設備投資をし、人も大量に雇い入れたのだが、突然現れた男たちに仕事を奪われる。彼らはダメージコントロール局と名乗り、エイドリアンたちを現場から追い払った。
ダメージコントロール局とはトニー・スタークと政府が協力して立ち上げた機関であり、チタウリを部外者(特に犯罪者)の手に渡ることを阻止するため、エイドリアンの民間会社から残骸処理作業を横取りするという横暴に出る。
当初はニューヨーク州がエイドリアンの会社へ残骸の撤去作業を依頼して作業が進んでいた。それを何の予告もなく突然仕事を奪っておいてしかも何の説明もない。それは頭にくるだろう。設備投資の返済もあるだろし、新たに雇った人員の給与もその家族の生活も考えなければならない。その仕事が一瞬にして奪われてしまったのだから、悪の道へと進む動機は十分だ。しかも部下がこっそりチタウリを隠し持っていたので、それを使って武器の密売をしていこうと思い立ったのだろう。
若いヒーロー
15歳の高校生とは若いヒーローだ。ピーターは正義感が人一倍強いがまだ子供で経験が浅い。人より何倍もの身体能力と頭の良さを持っているが、年上の同じ高校に通うマドンナ的存在のリズに恋焦がれる普通の高校生だ。
若いなりに本人はかんばっているのだろうが、その人並外れた身体能力を手にしたおかげで、自信過剰に陥らないか心配なってくる。時々無茶な行為や無謀な行動に出るのをひやひやしながら見ていた。自分の息子の行動を心配する親の気持ちになってくる。
この一番若いヒーローが今後どのように成長し活躍していくのかが楽しみだ。
スパイダーマンのハイテクスーツ
さすがトニー・スタークが作ったスーツだ。ハイテク機能機能満載。しかしピーターはまだ経験も浅いので補助輪モードになっている。なんて面白いたとえ。しかし本人は傷つくだろうが。
そうとは知らずピーターは喜んでスーツを身に着けて勇んで出動。補助輪モードとは知らずにスーツの完成度の高さに感激する。なんて初々しい。はじめはみんなここからスタートする。
補助輪モードを解除した全開のスーツは、トニーのこだわりがいっぱい詰まっている。過剰なまでの戦闘モードの多さといい、いつどこで使うのか謎の兵器、親切なのか無愛想なのかどっちだか分からないナビのお姉さん。トニーの片寄った好みが十分に詰め込まれたスーツに仕上がっている。
ピーターが普通の高校生からスパイダーマンに変わる時、当然ただスパイダーマン用のスーツに着替えるだけなのだが、実際路地裏で着替えるのを見るとちょっとわびしい。ヒーローはあまり裏の姿を見せないものだが、ピーターの場合裏の裏まで見せてくれるので余計親しみを覚えて応援したくなる。
恋焦がれていた女性の父がまさか
これは予想していなかった。まさかエイドリアンがリズの父だったとは。ピーターがリズの家を訪れたとき玄関のドアを開けてくれたのがエイドリアンだった。はじめピーターの弱みを握るためにリズをさらいに来ているのかと一瞬思ったくらいだ。
これにはピーターも衝撃を受けただろう。驚きと苦悩。若く正義感の強いピーターとしては絶対許せない犯罪者であり、恋焦がれる女性の父親。「俺はどうしたらいいんだ」と叫びたくなる。
しかし、最後に下した決断はピーターが大人になって来た証だ。このまま見逃せばますますチタウリ製武器を使った犯罪を増やすことになる。リズを悲しませることにはなるが今の自分かしなければならないことは、その犯罪を少しでも阻止することだと。そのことに気付いたピーターは友達のネッドも巻き込んでエイドリアンの悪事を阻止しようとする。
まとめ
最後には命がけの行動でピーターはエイドリアンを捕まえることに成功するのだが、その功績を認められてようやくトニーからアべンジャーズの新メンバーに迎え入れらることになる。しかしピーターはそれあっさりを断ってしまう。自分はまだまだ若く未熟だと今回の件でよくわかったのだろう。ピーターは今回の活躍で精神的急成長を遂げた。