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映画《ラブソングができるまで》あらすじネタバレ感想:少しずつ近づく二人の関係

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 原題:Music and Lyrics

 公開年:2007年

 製作国:アメリ

 上映時間:104分

 評価:78

 

あらすじ

 1980年代に一世を風靡したポップスグループのボーカル、アレックスはグループ解散後、遊園地や同窓会に呼ばれる巡業をしていた。

 そんな時、今大ブレーク中の女性歌手コーラがアレックスの大フアンということで、コーラから新曲作成の依頼が舞い込む。ただし、その曲は7曲競合するうちの1曲に過ぎない。コーラの心に響いた曲を作らなければ採用してもらえないのだ。

 ある日、アレックスの部屋の観葉植物の世話係をする代理としてソフィーがやってくる。水やりをしながら何気なく口ずさむソフィーの歌詞を聞いたアレックスは、瞬時に彼女の才能に気付き、一緒に曲を作ろうと提案する。しかし、ソフィーは過去の自身の事情により頑なに拒否をする。

 ソフィーはアレックスの再三の熱望におされてついに新曲の歌詞を作ることになる。

 短期間で渾身のバラードを作り上げしかもその曲がコーラに採用されることになる。

 しかしコーラが歌う曲は別モノじゃないかと思うくらい大幅なアレンジがされていた。自分の作った曲の変わりように一言いいたいソフィー。しかしアレックスはビジネスと割り切って提供した曲が採用されるのであればそれをどのように使おうが向こうの自由だと、それが業界で生きていく術だと説明するのだが。

 今までいい関係だった二人の仲だったが、アレックスがソフィーの過去のことに触れてしまったことのよって最悪の状況になってしまう。二人は元に戻れるのだろうか。

ネタバレ感想

アレックスとソフィーの出会い

 観葉植物の世話係という職業orアルバイトがあるとは知らなかった。販売した花屋さんがやっているのだろうか。その代理としてアレックスの所へやって来たソフィーはよくしゃべるしテンションも高いちょっと変わった女性だ。

 サボテンの棘が指にささり、救急箱を求めて一旦帰ってしまうソフィーにあきれ果てるアレックスとマネージャー。だがソフィーのコミカルで目まぐるしく変わる表情もかわいい。

 昔の映画『ET』のあどけないころの面影が思い出される。『50回目のファーストキス』もよかった。

アレックスの作曲とソフィーの作詞

 曲を作っている最中の二人を見ていていい感じだ。本人たちにしてみれば必死の思いなのだろうが、どんな関係だろうと協同作業は男女の仲を急接近させてくれる。

 ソフィーのセリフに「曲は肉体で詞は精神、心」というようなことを言っていた。うまく例えていると思う。

 歌を聴くとまず入ってくるのはメロディだ。初めての人に出会うとその人の顔や体形が目に飛び込んでくる。そして話をしていくうちにその人の内面が徐々にわかってくる。歌も何度も聞いているうちに歌詞が心にしみてくる。

アレックスの過去

 解散後のもう一人のボーカルはその後大成功を収めているが、アレックスは過去の遺産でようやく食いつないでいる状況だ。それでもまだファンがいるだけましなほうか。

 ソロで出したアルバムも、店舗にあるたった1枚のCDの裏に印をつけて何年も売れていないことを確認するみじめな日々。昔いくら人気があったも、今売れていなけらば現実はこんなもんだ。

 その1枚を買って聞いたソフィーからは、ヒットを出したいという気持ちだけが見え見えだと酷評される始末。いつまでも夢見るアレックスに対してソフィは現実的だ。

ソフィーの過去

 誰にでも思い出したくない過去の一つや二つはあるだろう。

 偶然思い出したくない人物に出会ってしまったソフィー。ここで今まで言いたかったことを言って過去と決別しなければ、この先の人生は変わらないと決心するも、本人を目の前にすると敗退。言いたいことが一言も言えず、それを見かねたアレックスが代わりに代弁する結果に。というか喧嘩になってしまったのだが。

 過去のトラウマでいざ本人を目の前にすると、何も言えなくなってしまい自分自身をいやになってしまうだろう。それは人の心のキズの深さによって違うだろうが、当たり前のことだ。誰もが強い人間の訳ではない。人は傷つけられ、また別の人にその傷を癒してもらって生きていくのだから。

 ソフィーもこんなひどい男とは、早くに別れられてよかったと思うしかない。アレックスが自分のことを本当思っていてくれていることが分ってよかったと思えばいい。

新曲

 元はバラード風のいい感じの曲だったのが、コーラが歌うとこれは同じ曲か?と思うほどアレンジが極端に変わりすぎている。

 露出度全開で踊りながら歌うコーラの手に渡るとこうなるのだろうが、ソフィーは納得できない。自分の作品が全く別モノになってしまったのを見て一言いいたい気持ちはわかる。しかし、長年この業界にいるアレックスにしてみれば特に珍しいことでもないのだろう。アレックスもこれが千歳一隅のチャンスなのだし、ぶち壊されたら元も子もない気持ちが強いだろう。

 しかしこれがもとで、アレックスはソフィーに言ってはいけないことを口走ってしまい彼女の心を傷つけてしまう。

ラストのコンサートコーア

 姉の家族とともにコーラのコンサートに来たソフィー。自分の作詞した曲があんな風になってしまい気乗りしない。しかも、紹介された時は自分の名前すら消されていた。ショックを受け会場を出ようとするソフィーに聞こえてきたのは、初めて聞くアレックスの自分への想いだった。

 このシーンが一番いい。作曲しかやったっ事のないアレックスが必死の思いで作詞した自身の想いをこめた曲。アレックスの気持ちを受け止めたソフィー。感動の瞬間だ。

 しかし、コーラはバラードをあんなにかわいらしく歌えるんだと驚いた。ギャップがすごすぎて新鮮だ。

まとめ

 突拍子もない出来事がほとんどないのが少し物足りない気もするが、見ていて安心できる展開。新曲を作っている時の関係から徐々に深まっていく二人の間が自然で安心感がある。

 最後のコンサートでのアレックスのソロが一番いい。