原題:Guardians of the Galaxy vol.2
公開年:2017年
製作国:アメリカ
上映時間:136分
MCU作品の15作目
2014年公開の「ガーディアンズ・オブ・ギャラクシー」の続編
あらすじ
続編ということで、キャラクターの説明はなくいきなり戦闘シーンからスタート。
ガーディアズは全身金色のゾウリン人の依頼で、宇宙怪獣からアニュラクス電池の施設を警護する仕事を受ける。分厚い皮に覆われた怪獣に苦戦するものの何とか倒すことに成功したガーディアンズだが、今度は依頼主のゾウリン人艦隊から追われることに。
それもこれも、口が悪くて手癖も悪いロケットが、ゾウリン人からアニュラクス電池を盗んだから。なめた真似は許さないとゾウリン人の怒りを買い無数の艦隊に挟み撃ちにされる。絶対絶命のピンチで謎の人物に助けられる。
その謎の人物は今まで異星人としか分からなかったクイルの父エドだという。
エドとともにクイル達一行が向かった惑星では、想像だにしなかったクイル自身にもかわる重大な真実が待ち受けている。
ネタばれ感想
キャラクター
ベビー・グルート
前作でのグルートは敵にやられて消滅してしまったわけだが、ロケットがかろうじて生き残っていた小枝を拾って、鉢植えに移したものが成長した。
しかし、前作のグルートが生き返ったわけではなく、全くの別人格だという。前作のグルートの子供みたいなものか。見た目も幼くて愛らしく、ちゃんと表情もある。ただ小さいので動作がかわいらし。
グルートはまだ幼いため状況もよく呑み込めないらくし、冒頭でのガーディアンズが宇宙怪獣と死闘を演じているそばで、周囲の騒動などどこ吹く風と音楽を聴きながら自分の世界に浸っている。
ガモーラとネビュラ
全身緑色の戦士ガモーラと義理の妹で義理の父にサイボーグ化されたネビュラ。
ネビュラの義姉ガモーラと義父サノスに対する復讐の憎悪には凄まじいものがある。
義姉を殺すことだけを目的にしてきたネビュラの執念の前に、ガモーラは手に負えない状況に。血が繋がっていないとはいえ幼いころ共に育った義妹なので扱いに困惑する。
幼いころから義父に強制的に戦わされてきた姉妹。姉妹でありながらライバルとして育った二人。ネビュラは一度も姉に勝てず、しかも負けるたびに義父はネビュラの体の一部を強制的に機械化してきた。また一度として、姉からいたわりや愛情を感じたことがなく、そして父は自分の体をただ機械化していった。そんな偽りとしか思えない家族の中でネビュラは憎悪だけを膨らませて生きてきた。
ラストでネビュラが義姉をいざ殺そうとするが最後の最後に躊躇する。しかもエゴの惑星が崩壊する状況のなか、ネビュラはともに助け合って窮地を脱出することを選ぶ。
ここで、ようやく姉妹の今までのわだかまりが少しは溶けたようだ。
二人の関係は今後どのようになっていくのだろうか。
ヨンドゥ
ラヴェンジャーズの一員であり、エラクター号の船長。
過去にラヴェンジャーズの「子供を誘拐しない」という掟を破り追放される。
しかし、子供を誘拐していたのはデドからの依頼で、しかも一人や二人ではない。これまで何人もの子供を誘拐してきた。そして、それらはすべてエドが依頼したことだという。
全身青色で、頭のとさかと口笛で短槍のようなものを自在に操る。これがまた、目にも止まらない速さで次々と敵の体を貫く。自分を裏切ったかつての部下たちも、この武器で制裁した。ヨンドゥの見た目とは裏腹な流ちょうな口笛で、小さい槍のようなものを自由自在に操る様は、華麗な演武を見ているようだ。
ヨンドゥの最後のシーンが泣ける。やはり、ヨンドゥはクイルを実の息子のように思っていたのだろう。だから、前作でも仲間の反対を押し切ってクイルを救った。そして、今回は自分の身を犠牲にしてクイルの命を助けた。今作で一番カッコよかったのはこのヨンドゥ。
エゴとクイル
最後はエドとクイル。
ついにクイルは念願の父に会うことができる。しかし、その父は宇宙が誕生した時と同時に生まれたエネルギー体で人々の間では天界人「セレスティアル」と呼ばれている神のような存在だった。
ソーの世界とはまた違い世界観が宇宙創造の領域まで行ってしまった。しかも、クイルはその天界人の血を受け継いでいるので、同じような力も受け継いでいるというとんでもない方向へと進んでく。でもこういう展開はきらいじゃない。
エドは何百万年もかけて原子から分子を、そして物質から自身を守るための惑星を作り上げた。そして他の星々まで拡張しようとしたが、自分一人では荷が重すぎる。もう一人分身のような存在が欲しくなり、あちこちの生命体がいる惑星に立ち寄り、自身の子をその惑星の女性に身ごもらせては自分の力を受け継げるものを作ろうとしてきた。いままで一度として成功したことがなかったが、ついにクイルの存在に出会う。ようやく自分の力を受け継げるものに出会えたのだが、エドの行動はすべて自身の欲望を実現するためのもので、完全に悪い奴だ。
あちこちの星々を回っていい女を見つけては自分の子供を産ませ、そしてヨンドゥに攫わせて連れてこさせる。自分の力を継ぐ資質がないと分るとポイと捨ててしまう。名前の通りエゴの塊。
なんてもったいない。これだけの力を持っていれば、あちこちの惑星で本当の神として崇められただろうに。あれだけ長く生きてきたのに精神は成長できなかったようだ。
コンティス
エゴのペットのような存在のコンティス
人に触れるとのその人の感情が分るという特殊能力がある
エゴが安らかに眠れるようにと側にいる存在
コンティスはドラックス(美的感覚がおかしい)に「ブス」とか「気持ち悪い」といわれ、世間を知らないコンティスは「私ブスなの?」と問いかけるシーンがいじらいし
もっとコンティスの家族やどういう生い立ちなのかの説明がほしかった。
まとめ
評価85点
家族愛が根底にある作品だと思う。
クイルとエゴの実の父子関係。
ガモーラとネビュラの姉妹関係。
そして、クイルとヨンドゥの精神的な父子関係。
ガーディアンズも家族同様、信頼と強い絆で結ばれている。
そして、笑いと感動をくれる今作のリミックスは劇場で見たかった。
最後の成長したグルートは部屋に閉じこもってゲームばかりしている引きこもり?
問題児にならなければいいが。なんといっても周りの環境はいいとは言えないから。